このブログは元バリスタの管理人が今まで培ってきた知識と経験をもとにみなさんのコーヒーライフをより豊かなものにしたい一心でお伝えしております。
コーヒーの大半は南回帰線と北回帰線の間(コーヒーベルト)にある国々で栽培されていますが、今までに130種類近くが特定されていると言われています。
コーヒーには沢山の「品種」がありますが、最も多く栽培されているのはアラビカ種とロブスタ種です。
また、日本ではあまり馴染みのないリベリカ種もレアな品種として知られています。
- アラビカ種
- ロブスタ種(カネフォラ種)
- リベリカ種
この3つの品種はコーヒーの三大原種とも言われています。
世界で大量に栽培されているアラビカ種とロブスタ種ですが、アラビカ種にはさらに多くの品種が存在します。
対してロブスタ種ですが、「ロブスタ」という名前は実はブランド名として名付けられたもので、その正体はアラビカ種の「親」にあたります。
今回は、突然変異や交配によって多くの品種が誕生したアラビカ種の品種をご紹介します!
この記事を読めばコーヒー選びがより楽しくなりますよ!
アラビカ種の品種
アラビカ種のコーヒーがさらに多くの品種に分けられることを知っている人は多くはありません。
なぜならコーヒー自体が原産国で取引されることが多く、品種までの特定が難しかったため、アラビカ種であれば品種にそれほどフォーカスがあてられることがなかったという背景もあると思われます。
昨今では生産者との直接取引(ダイレクトトレード)など、トレーサビリティ(生産地から消費地までの生産履歴の追跡が可能な状態)が確立されているものが増えてきたので、品種を大々的に載せて販売しているところも増えています。
ティピカ
ティピカは最も古い栽培品種として考えられており、他の品種はすべてティピカの突然変異や交配によって誕生したと言われています。他の品種に比べて生産量が少ないですが、現在も多くの地域で栽培されています。
マサティ 今回はコーヒー豆を語るうえでは欠かせない歴史の深い品種、ティピカ種についてお話をしたいと思います。 ティピカ種は、ブルボン種と並び2大在来品種と呼ばれており、 […]
ブルボン
ティピカがマダガスカル産の東にあるブルボン島(現レユニオン島)で突然変異して生まれた品種。
収穫量はティピカより多いですが、生産国の多くはより生産性の高い他の品種の栽培へ移行してます。
スペシャリティコーヒー市場では、特有の甘味が高く評価されている品種。
マサティ こんにちは!今回は、ティピカ種と同じく歴史の深いコーヒー豆の品種「ブルボン種」についてのお話です。 ブルボン種は、世界中にコーヒー栽培が広まるきっかけとなったテ[…]
マラゴジッペ
ブラジルで発見されたティピカの突然変異種。
大粒で見栄えが良いため人気が高く、葉も大きいですが生産性はそれほど高くはありません。
「エレファントビーン(象豆)」とも呼ばれています。
マサティ 今回は、アラビカ種コーヒー豆の希少種の一つであるマラゴジッペ種をご紹介します。 マラゴジッペ種は、後に「パカマラ種」が生まれる原点にもなったコーヒー豆のひとつで[…]
パーカス
1949年にエルサルバドルのパーカス家によって発見されたブルボンの突然変異種。
樹高が低く、収穫しやすく、ブルボンに似た良質な風味が特徴です。
パカマラ
1958年にエルサルバドルで開発されたパーカスとマラゴジッペの交配種。
葉や果実、種子はマラゴジッペと同じく大きく、独特な味わいが特徴です。
ムンド・ノーボ
ティピカとブルボンの自然交配種で生産性が比較的高く、耐久性があり病気にも強い品種です。
標高1000~1200メートルほどの標高が比較的低い環境でもよく育ちます。
マサティ 今回は「スマトラ種」と「ブルボン種」の交配種であるムンドノーボ種をご紹介いたします。 生産者にとって、画期的な品種であったためポルトガル語で「新世界」という意味[…]
カトゥーラ
1937年にブラジルで発見されたブルボンの突然変異種で、風味が高く評価されており比較的生産性も高い品種です。実が多くなりすぎるため適切な管理が必要で、標高の高いものほど品質が高いですが収穫量は減ります。
コロンビアや中米で特に人気のある品種であり、ブラジルでの栽培も行われています。
マサティ 今回は、ブルボン種の突然変異種であるカトゥーラ種をご紹介します。 「カトゥーラ種」は「カツーラ種」とも呼ばれており、中央アメリカの各地で栽培されるほどの人気品種[…]
カトゥアイ
1950年代~1960年代に、ブラジル・サンパウロ州のカンピーナス農業試験場 (IAC)が開発したカトゥーラとムンド・ノーボの交配種。 樹高の低いカトゥーラの矮性と、生産性と耐久性のあるムンド・ノーボの特徴を併せ持った品種です。
マサティ 今回は、カトゥアイ種(カツアイ種)をご紹介いたします。 カトゥアイ種はカトゥーラ種とムンドノーボ種を人工交配して生まれた比較的新しい品種です。 […]
ゲイシャ
コスタリカからパナマへ伝わったエチオピアが起源の品種。花や香水を思わせる香りの高いコーヒーで、近年のスペシャリティコーヒーブームで需要が高まり、価格が急騰しています。
オークションで2007年には130米ドル/重量ポンドという一般的なコーヒーのおよそ100倍の価格で落札されたこともあります。
マサティ 今回はコーヒー界に衝撃を走らせたコーヒー豆、ゲイシャ種をご紹介いたします。 スペシャリティコーヒーを語るうえでは欠かせないパナマ産のゲイシャ種はとても有名ですが[…]
SL28
1930年代に、ケニアのスコット研究所(SL)がタンザニア原産の品種から選別したもので、乾燥に強く、実のサイズもかなり大きい品種です。果実感のある風味のコーヒーができると考えられています。さび病への耐性が非常に弱く、標高の高い場所での生産に適しています。
SL34
ブルボン島(現レユニオン島)からアフリカ大陸に持ち込まれ、タンザニアからケニアへ伝わった(フレンチ・ミッション)ブルボンから選別された品種です。果実感のある風味が特徴ですが、SL28には劣ると考えられています。
さび病への耐性が非常に弱く、標高の高い場所での生産に適しています。
ビジャ・サルチ
コスタリカの町サルチで発見されたブルボンの突然変異種。
現在は栽培方法が工夫されて生産性が非常に高くなり、素晴らしい風味が特徴です。
まとめ
こちらでご紹介した品種はごくわずかではありますが、コーヒーを選ぶ際に覚えておいて損はない品種を厳選して紹介させていただきました。
コーヒーの品種や歴史を知ると、コーヒー選びがより楽しいものになります!
今回ご紹介した品種の魅力を通じて、みなさんのコーヒーライフがより豊かで楽しいものになったら嬉しいです。
それでは、またコーヒーの世界でお会いしましょう。