ハンドドリップコーヒーでの抽出時間の決め方 -PORT OF COFFEE流-

 

まさてぃー
こんにちは!店舗のない自家焙煎珈琲店「PORT OF COFFEE」の古川です!

 

大手カフェチェーンでのバリスタを経験後、自家焙煎珈琲店「PORT OF COFFEE」を開業し、

小売店やオンラインストアでの自家焙煎コーヒー豆の販売や、イベントでハンドドリップコーヒーのご提供をさせていただいております。

 

前回のハンドドリップコーヒーでの湯温(注ぐお湯の温度)に引き続き今回は、「ハンドドリップコーヒーを淹れる際の”抽出時間”の決め方」をPORT OF COFFEE流に解説していきたいと思います!

前回の湯温について、まだ読んでいない方はご一読いただくと一層理解が深まると思いますので参考にしていただければ嬉しいです。

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このように、コーヒーの抽出について考えていることを少しずつお話できたらと思います。

コーヒーの淹れ方などでお悩みの方にとって、お悩み解決や参考になったら嬉しいです!

 

それではよろしくお願いいたします!!

 

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抽出時間って?

コーヒーの抽出時間とは、コーヒー豆にお湯や水が触れることでコーヒー豆の成分が抽出される時間のことを言います。

そう言われても、、、

「そもそも抽出することに、時間って考える必要があるのでしょうか?」

「コーヒー豆から”味”を取り出せればいいんじゃない?」

 

そう思うこともあるかと思いますが、コーヒー豆から成分が抽出される仕組みを知ることで

なぜ抽出時間というものを考える必要があるのかが分かると思いますので、詳しくお話していきたいと思います。

 

コーヒーの成分が引き出される順序

コーヒーを抽出する際、コーヒー豆から引き出される成分(ここでは風味で表現します。)の出かたには順序があります。

とっても簡単な検証の仕方があるので、試してみたい方は今から説明する方法を実践してみると分かりやすいです。

ハンドドリップでの検証

ハンドドリップでコーヒーを淹れる際にお湯を何回かに分けて注ぐ方がほとんどだと思いますので、その淹れ方で検証をしていきます。

例えば、20gのコーヒー豆(粉)に対して320mlのお湯を5回に分けてペーパードリップで淹れるとします。

その際に5つのカップを用意して、最初にお湯を注ぐ1投目~5投目に抽出されるコーヒー液を下の表のようにそれぞれ分けてみます。

 

【カップの種類】【カップに入れるもの】
1つ目のカップ1投目のコーヒー液
2つ目のカップ2投目のコーヒー液
3つ目のカップ3投目のコーヒー液
4つ目のカップ4投目のコーヒー液
5つ目のカップ5投目のコーヒー液

 

抽出するドリッパーの下でカップを投数毎に入れ替えていくイメージです。

 

すべて抽出を終えたら、それぞれのカップに注がれたコーヒーを飲んでみると

前半の方が味が濃いが酸味が多く、後半にかけて苦みが増し、最後は味が薄くなっていくことが分かります。

 

このように、コーヒーは抽出前半に酸味の成分や味の元となる成分が多く引き出され、

後半にかけて苦みの成分や、味を引き延ばす薄い味のコーヒー液が引き出されることが分かります。

 

まさてぃー
「酸味→甘味→苦み」の順番で引き出されると言われています。

 

ハンドドリップで考える「抽出時間」とは、コーヒー豆(粉)に注いだお湯がドリッパーの下にコーヒー液となって落ちるまでの時間を考えるということになります。

注ぐ投数毎に、このような特徴を持ったコーヒー液が引き出されるので、味のバランスの着地点が決まれば「抽出時間」も決まるということです。

 

抽出効率を考える

コーヒーの成分が引き出される順序は分かりました。

次に大切なことが、前回の湯温の話にも出てきた「抽出効率」です。

 

抽出効率が良ければ、先ほどの引き出される成分がより早い段階で引き出されるようになります。

湯温が高かったり、コーヒー豆の挽き目が細かければ抽出効率が高くなりますし

逆に湯温が低かったり、コーヒー豆の挽き目が粗いと抽出効率は低くなります。

 

しかし、前回の湯温のお話でもお伝えしたように抽出効率が高ければ良いというものでもないのですし、抽出効率が低くても同様のことが言えます。

 

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“どんな味を引き出したいのか”が大切

「コーヒーの成分が引き出される順序」と「抽出効率」について分かりましたので、ここで「抽出時間」を決める出番となりました。

後でPORT OF COFFEEが基準とする抽出時間もお話いたしますが、まずは”自分に合った味を検証してほしい”ので、ここでは「抽出時間は○○分(秒)が良い!」とは言いません。

 

コーヒー豆にはそれぞれの個性があり、焙煎度もそれぞれ好みが分かれます。

その中で、様々な湯温や挽き目、お湯の投数を試し、前半でお話した”検証”をすることで自分の好みを見つけられるようになります。

ここでお話したいのが、その検証に一役買ってくれるものです。

 

それが「ドリッパー」です。

 

ドリッパーと抽出時間

ドリッパーには様々な種類のものがあります。

種類が多すぎて、訳が分からなくなるかもしれませんが、ドリッパー選びの一番の重要ポイントが「お湯の流れやすさ」です。

”お湯が流れやすいから良い”という訳ではなく、”抽出時間をコントロールできるか?”が基準となります。

 

例えば、先ほどの検証の結果が以下の通りだったとします。

 

挽き具合中挽き
お湯の温度90℃
注ぐ回数5回
抽出時間3分30秒
感想酸味と苦みのバランスは良いが、5投目に雑味がある。

 

検証で使用しているドリッパーで5投注ぐと3分30秒だったとします。

そして5投目に雑味が出てきた印象だとします。

 

この場合、どのようにレシピを作っていくのか?

思いつく改善点を以下のようにしたとします。

【思いつく改善点】
・挽き目を粗くする
・投数を減らす
・抽出時間を早くする

 

抽出時間を早くする」場合、検証で使用したドリッパーでは3分30秒が最速だったので”流れの速いドリッパーに変えてみる”ことで改善される可能性が増えました。

 

このように、抽出時間をコントロールする選択肢としてドリッパーは重要なアイテムとなります。

 

ドリッパーに関しては過去の記事で詳しくお話していますので、良かったら参考にしていただければと思います。

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PORT OF COFFEEが目安とするもの

PORT OF COFFEEが目安とするものは、”自らが取り扱っているコーヒー豆の良さを引き出す抽出時間”です。

様々な検証をしたところ、1杯分を淹れる抽出時間は2分40秒を基準とするレシピでコーヒーをお出ししています。

 

むしろ抽出時間は決め打ちとして、豆量や挽き目と湯温で調整をしています。

 

なぜ2分40秒なのか?

と言われると、オペレーションの関係も加わっているからです。

 

もちろん3分30秒でも4分でもレシピは作れますが、「お客様へ美味しいコーヒーをお出しできる最速は?」と考えた結果、2分40秒のレシピに辿り着きました。

 

検証を重ねることが上達のポイント

答えを知ることも大切ですが、「こうしたらこうなった。だから、こうしたら上手くいった。」という経験が上達のポイントになります。

検証を重ねることで、コーヒーの魅力を様々な角度から見ることが出来るので楽しいですよ!

ぜひ、コーヒーについてより深く楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

 

まさてぃー
次回は「コーヒー豆の挽き目の決め方」についてお話をしていきたいと思います!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた!

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