PORT OF COFFEE代表のまさてぃーです!
コーヒー豆の加工法は日々進化しており、様々な生産処理方法が誕生しています。
今回はその一つである『アナエロビック』についてお話をいたします。
コーヒーの精製処理方法として近年話題になっているアナエロビック・ファーメンテーション(アナエロビコ)ですが、どのような特徴があるのかお話をいたします。
新しく生まれたこの精製処理方法について深堀りしていこうと思いますよ!!
この記事を読むと以下のようなことが分かります。
- アナエロビックの意味
- 同様のプロセスを使った精製方法
アナエロビック・ファーメンテーションとは?
アナエロビック・ファーメンテーション(アナエロビコ)とは、コーヒーの嫌気性発酵(けんきせいはっこう)を介した精製処理方法を指します。
通常行われるコーヒーの発酵プロセスは、ウォッシュトでは発酵槽の中で外気に直接触れる状態で行われ、ナチュラルでは天日干しの際に外気に触れることで行われます。
このように、通常の発酵プロセスは、酸素に触れることで活動することができる微生物の働きで発酵をさせる好気性発酵が主流になっていました。
ウォッシュトやナチュラルについては深~いお話になってしまうので今回は割愛させていただきます。
ウォッシュトやナチュラルの詳しい精製方法はこちらから↓↓↓
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好気性発酵と嫌気性発酵
発酵プロセスで微生物が有機物(コーヒーチェリー)を分解して生成された物質が、コーヒーのフレーバーを生み出すもとの一つとなります。
好気性発酵(こうきせいはっこう)での微生物は酸素を好むため、その『酸素』を含む外気に触れさせない発酵をおこなうのが嫌気性発酵です。
コーヒーの嫌気性発酵では、果肉が付いたままのコーヒーチェリー、またはミューシレージ付きの状態で、発酵時のガスを逃がす逆止弁の付いた密閉容器に移され発酵がおこなわれます。
発酵時のガスで密閉容器の中の空気(酸素)が外に出され、容器内は酸素のない環境で活発に活動する微生物によって発酵が進むため、これまでの好気性発酵では成し得なかったフレーバーが生み出されます。
この嫌気性発酵のプロセスを介してウォッシュト、またはナチュラルでコーヒー豆を取り出します。
このように、コーヒーの生産処理で嫌気性発酵をおこなうことでアナエロビックは発酵感のある強いフレーバーを生み出すことが可能になりました。
2019年ジャパン ブリュワーズ カップ(JBrC)にて丸山珈琲の上山薫バリスタがアナエロビックのゲイシャ種を使用しています。大会当時はナチュラルと紹介していますが、動画の8分30秒あたりで発酵工程の説明をしています。
さらに発展するコーヒーの精製処理方法
昨今はコーヒーの栽培方法と同じく精製処理方法の研究が進められており、目覚ましい発展を遂げています。
アナエロビックの嫌気性発酵プロセスをおこなう様々な精製処理方法が誕生しています。
ダブルアナエロビック
ダブルアナエロビック・ファーメンテーションは、嫌気性発酵を果肉のついた状態で行った後、果肉を取り除き、ミューシレージの付いたパーチメントの状態で再び嫌気性発酵をおこなうプロセスを介した精製処理方法です。
言葉の通り、二度にわたり嫌気性発酵を行う方法です。2度の発酵で質感の良いマウスフィールを生み出すことができると言われています。
カーボニックマセレーション
ワインの醸造プロセスから発想を得た、日本語で言う炭酸ガス浸漬法です。
コーヒーチェリーをパルピング後(果実の皮を剥がす工程のこと)密閉容器にコーヒー豆を入れてCO2を注入することで、嫌気性発酵を行う方法です。
CO2を充填させることで一貫性のある発酵環境ができ、より豊かなフレーバーを生み出すのが狙いです。
まとめ
コーヒーの栽培方法の研究とともに生産処理方法も様々なものが研究されてきました。
昨今のコーヒーの生産処理技術の発展は目覚ましいものがあり、この時代にコーヒーと巡り合えたことを嬉しく思います。
すべては『美味しいコーヒー』のために生産者、技術者、バリスタ、コーヒーに関わるすべての人の努力と探求心が注がれています。
今回のお話をまとめると以下の通りになります。
- アナエロビックは嫌気性発酵を行うコーヒーの精製方法
- 強いフレーバーが特徴
コーヒーの世界はとっても深くて楽しいものですね!
今日はどんなコーヒーを飲みましょうか?
それでは、またコーヒーの世界でお会いしましょう。
以上、まさてぃーでした!!