スペシャリティコーヒーを語るうえでは欠かせないパナマ産のゲイシャ種はとても有名ですが、どのようなコーヒー豆なのでしょうか?
ゲイシャ種の歴史
「ゲイシャ」という名前は、発見された地であるエチオピア南部の「ゲシャ」という地名から由来されています。
もともとエチオピア原産だったゲイシャ種がパナマへ持ち込まれたのは1963年と、コーヒー品種としては新しい部類に入りますが、その理由としては1953年にコスタリカにある国際機関である、熱帯農業研究高等教育センター(CATIE)に持ち込まれたのがきっかけとなります。
しかし、当時の農園は低地での栽培が多かったため、ゲイシャ種の味も悪く、現在よりもコーヒーの「香り」が重要視されていませんでした。
さらに、ゲイシャ種の栽培方法は難しかったため、エチオピアをはじめとする多くの地域が栽培を断念していました。
一方、パナマではパナマ政府がゲイシャ種を農園に無料配布するなどの活動をしましたが、収穫量が少なく栽培が難しいゲイシャ種は、収穫量の多いカトゥーラ種やカトゥアイ種などの人気に押され、埋もれてしまう存在となりました。
コーヒーを栽培する各地からは見放されたように見えるゲイシャ種ですが、その魅力や可能性に賭けたパナマのエスメラルダ農園が育てるゲイシャ種が2000年に入り見事な実をつけ、ゲイシャ種が一躍脚光を浴びるきっかけをつくりました。
時を同じくしてパナマでは、2001年からコーヒー品評会の開催が始まりました。
ゲイシャ種が人々を驚かせたのは、エスメラルダ農園がゲイシャ種を品評会に持ち込んだ2004年。
当時の品評会にゲイシャ種が取り上げられたとき、ゲイシャ種の持つ驚くほどの香気は誰が嗅いでも驚くほど個性的で華やかなもので、かつてないほどの高評価を得ることとなりました。
そしてエスメラルダ農園のゲイシャ種は、当時の落札最高額の世界記録を更新して優勝を果たしたのです。
ゲイシャ種のコーヒー豆の特徴
ゲイシャ種の特徴は、
- 栽培が難しく、収穫量も少ない
- 独特で個性的な香り
- 各地により香りの個性は異なり、トロピカルフルーツのような部類のものもあれば、ジャスミンを思わせる香気をもったものもある
ゲイシャ種の特徴は、なんといっても独特で個性的な香りにあります。
ゲイシャ種が脚光を浴びるきっかけとなった高品質のものは、気候と確かな栽培技術を持っている農園だからこそ実現できるスペシャリティコーヒーであり、ゲイシャ種のすべてが美味しいとは言い切ることはできないでしょう。
まとめ
他の品種の生産量に埋もれてしまったゲイシャ種ですが、コーヒー農家の情熱によってかつてないほどの脚光を浴びることとなりました。
まさにコーヒー界のシンデレラストーリーと言っても過言ではないでしょう。
大切な人へのプレゼントに、この特別なコーヒーをセレクトするのも素敵だと思いますよ!
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